2025(令和7)年11月1日(土)に第15回公開講座を開催しました。
本年は鎌田共済会郷土博物館が開館して100年にあたります。これを記念いたしまして、今年の公開講座は「次の100年へ ~「星眼鏡」が語りかけるものを胸に~」をテーマに、香川県立ミュージアム副館長 野村美紀様と当館館長 山本秀夫の二人に、それぞれ博物館の歴史と魅力について語っていただきました。
はじめに野村様より「香川の博物館事始め」と題しご講演をいただきました。昭和初期の県内博物館施設として、鎌田共済会郷土博物館のほか、金刀比羅宮をはじめとする社寺宝物館や高松高等商業学校附属商業博物館といった専門博物館、動物園などがあり、多様な館種があったこと、全国的にみても館数が多いことが特徴といえることがわかりました。また、県内初の博物館である香川県博物館(現 商工奨励館)について、資料収集や展示の様子、「美術館」としての機能や物産陳列のことなど、具体的な資料を挙げながら詳しくご紹介いただきました。
次に当館館長による「郷土博物館への道 ~調査部の奮闘を中心に~」です。調査部は共済会郷土博物館開館に先立ち、1922(大正11)年に設置されました。その活動は調査研究・史料収集・陳列(展示)と現在の博物館活動と遜色ない活発な動きをしており、郷土博物館開館にも生かされていたことを、当時の資料をもとに説明しました。最後には、調査部・郷土博物館主事として全ての事業を牽引した岡田唯吉の「専門家はもちろん一般人が何度も喜んで見て、知人をも連れ出して見に来るようなところにしたい」という言葉を紹介し、これは現在の私たちの目標でもあるとして締めくくりました。
ご参加いただいた方々からは多くのご感想と励ましの言葉をいただきました。深く感謝を申し上げます。





